④ドイツ室内楽レッスン旅 〜レッスンの中身〜
毎日のレッスンで、先生からは「テクニック的には問題ない」と言っていただけました。あとは個人の好みの範囲になってくる、料理でいうところの「ちょっとした塩加減」のようなアドバイスです。
例えば、リタルダンド(だんだん遅くする)のごくわずかな加減。ほんの少しのタイミングやスピードの違いで、音楽の表情が変わってしまいます。
印象的だったのは、「うまく弾けている部分があると、逆に他の甘い部分が悪目立ちしてしまう」という言葉でした。一音一音、すべてに魂を込めて弾くこと。そして、力みすぎるとモーツァルトが怒っているように聞こえてしまう、とも。愛らしく、チャーミングな弾き方とテンポ感を大切に、と教えていただきました。
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テンポ感といえば、ヴァイオリンとの意見のすり合わせも面白い作業でした。 ヴァイオリンにはボウイング(弓の動かし方)の都合があって「ここはもっと速く弾きたい」という箇所があるのですが、ピアノの私にはそこまで速く感じられない、ということがしばしばあります。
同じパッセージでも、ヴァイオリンはクレッシェンド(だんだん強く)に感じて、やや強く速く前向きなイメージを持っているのに対して、私はデクレッシェンド(だんだん弱く)して、そっと収めたい気持ちになる、ということもありました。 ちょっとした合わせの機会だけなら、こうした小さな違和感は口に出さずに終わってしまうことも多いのですが、今回はじっくり時間をかけて向き合えたからこそ、お互いの感じ方をきちんと話し合うことができました。
お互いの楽器の事情を伝え合いながら、少しずつ歩み寄っていく。この駆け引きこそ、室内楽の醍醐味なのかもしれません。
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そして最終日には、有料コンサートへの出演という機会をいただきました。ドイツから参加された方のご家族はもちろん、日本から駆けつけてくださった高校生の受講生のご家族、さらには近所にお住まい方々まで、たくさんの方が足を運んでくださいました。
特に印象的だったのは、ご近所からいらしたと思われるお客様たちの様子でした。こうしたコンサートに聴き慣れている様子で、皆さんうなずきながら熱心に耳を傾けてくださっていて、日常の中に音楽がある暮らしを肌で感じました。
毎日レッスンで指摘していただいた「ちょっとした塩加減」を、少しでも本番の舞台で表現できていたら嬉しいなと思います。
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